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団長のつぶやき「悪魔の飽食」ロシヤ公演レポート No2

 持永事務局長の司会で始まった記者会見の席上、池辺先生は、曲の成り立ちから今回の海外公演が6回目となること、残酷な事を単に伝えるのではなく、旧日本軍の犯した罪に対し、反省のうえに過去を見つめ、未来を見つめ直す目をもつことの重要性を説いた。浅井先生は、自らが幼少の頃中国で過ごした時の日本軍の残虐さが今も脳裏に焼き付いている実体験を話しされた。

 私は、戦争の記録というものをどの側面から見るのかをコメント。4つのパターンがあり最も多くの文学・映画・音楽等の作品で扱われているのが、我かく戦えりといった武勇伝、「戦闘の記録」の記録であり、次に多いのが広島・長崎に代表される被爆や大空襲などの「被害の記録」があり、極めて少ないのがこの度歌う「悪魔の飽食」という「加害の記録」作品、そしてさらに少ないのが、あの戦争は間違いであると命を賭して戦った「抵抗の記録」を綴った作品である。音楽界における「悪魔の飽食」は極めて稀有な作品であり貴重な作品。ロシヤはあの大戦で世界で最も多くの犠牲者を出した国(2500~2700万人、一説には6000万)で、その地で歌うことの重要性を強調させていただいた。

 モスクワ音楽院ホールでのコンサートの司会を担当される女性は、次のようにコメントを寄せた。「世界的にも名だたるモスクワ音楽院ホールで演奏するにふさわしい作品かどうか、スコアーをトーマス・カルビィーノに見せたところ、この音楽がきちっとした作品であり、大ホールで演奏するにふさわしい作品であると評価された。彼のお父様は、ホールを応援したメセナの一人だ。取材のみなさん、曲を聞いて下さい。時間を決して無駄にはしません」。
最後に発言したユーリ・ノルシュテイン氏は、「私は日本に20回ほど訪問している。731部隊が犯した生体実験に対し、NO!と言える強い人間になることは非常に必要不可欠で大事だと痛感している。命令と引き換えに自分の命を差し出さなければならない。命令をきかなければ殺されるという状況に遭遇したとき、どうすればいいのか、命をなくしていいのかどうか実に深く考えさせられ答えが出ない。しかし、最も重要な事は、このような状況を生みださないことではないだろうか。そのようなときに国家にものが言える人間を作って行くことが大事で、そのために文化・音楽は大きな役割を果たすのです。その使命を負って日本から250人もの人が来られた。コンサートは必ず成功するでしょう。露日関係の文化交流の新たな1頁をあなたがたが刻むのです」。

 実に感動的で、理知的で今回の公演の意義を的確にノルシュテイン氏は語られた。今回の訪ロ公演で我々はロシヤを代表する世界的な巨匠二人と遭遇することになる。その一人がノルシュテイン氏であり、巨匠にふさわしい豊かな思想と創造力を私たちに提供してくださった。この後、もう一人の巨匠、ともサンクトペテルブルクのカペラホールで逢うこととなるが、ノルシュテインを「明」とすると、まだ見ぬもうひとりの巨匠が真逆の「暗」以上のよもや「暗黒」になろうとは、このとき池辺先生、持永さんはじめ誰一人として知る術もなかったのである。(つづく)

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「せんたあ」2013年8月7日付より



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